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    Novel Core × RAN対談 MCバトラーとストリートダンサーに共通する恐怖と勇気 – KAI-YOU.net

    SKY-HIさんが立ち上げたマネジメントレーベル・BMSGに、第1弾アーティストとして移籍したラッパー・Novel Coreさん。

    「高校生RAP選手権」優勝に恋愛リアリティーショー出演と、移籍前からジャンルを超え活躍していた彼は、2021年12月メジャー1stアルバム『A GREAT FOOL』をリリースした。

    このアルバムは2021年春に発売が予定されていたものの、Novel Coreさんの精神的な不調により制作が難航。休止を挟み、新たな心境のもと完成した作品だ。

    そのリード曲「THANKS, ALL MY TEARS」MVで“主演”に抜擢され、コンテンポラリーダンスを披露したのが、同じくBMSGにトレーニー(育成生)として所属するRANさん。

    RANさんはBMSG主催のオーディション「THE FIRST」参加者のひとり。ストリート由来の高いダンススキルや透き通った歌声などから人気を獲得した。

    最終選考で惜しくも落選し、BE:FIRSTとしてのデビューは叶わなったものの、SKY-HIさんにその才能を見出されトレーニーとして契約。舞台やモデルなど挑戦を続けている。

    同世代の2人は、それぞれアーティストと“主演”として「THANKS, ALL MY TEARS」にどんな想いで向き合ったのだろうか。

    取材・文:高橋梓 編集:都築陵佑 撮影:宇佐美亮

    【写真32枚】Novel Core×RANギャラリー

    目次

    バトルMCとストリートダンサーの共通点

    ──まずは、お二人の出会いからうかがえればと思います。

    Novel Core 「THE FIRST」だよね?

    RAN そうですね。

    Novel Core 僕が「THE FIRST」の合宿に遊びに行かせていただいて。でも深い話をしたわけでもなく、挨拶とちょこっと話したぐらい。

    RAN 年が近いっていう話をした気がします。

    ──お互いの第一印象はどのような感じだったのでしょうか?

    Novel Core その時は参加者の1人という印象でしかなかったんですけど、なんだか「もがいているのかな」と個人的に思っていました。合宿の中、しんどそうな瞬間も見え隠れしていて。

    後から『スッキリ』で放送された「THE FIRST」の特集を見たら、ちょうどその時にRANが自分自身にチャレンジしている瞬間だったので「あぁ、なるほど」と思いました。

    ──見抜くスキルがすごいです……!

    RAN 本当に。会った瞬間、全部バレているんですよね。

    僕が最初に思ったのは、「あ、画面の中の人が目の前にいる」(笑)。すでにめちゃくちゃ活躍されていたので、その印象が一番強かったです。やっぱりトレードマークの赤髪もありますし。

    Novel Core 怖くなかった?

    RAN めちゃくちゃ怖かったです(笑)。Coreさんのことなぜか食堂で紹介されたんですけど、行ってみたらすでに入口のところに赤髪の人がいて……。

    Novel Core そう! 「合宿参加者のみんなが食堂に集まるまで待機して」と言われたんですけど、隠れる場所がなくて食堂の入口に立っていたんです(笑)。「髪赤いヤツが来てる」みたいな空気を感じていました。

    ──Coreさんはゲストとして「THE FIRST」に登場されましたが、後輩たちが頑張っている姿を見て刺激を受けた部分もあるのではないでしょうか?

    Novel Core 「THE FIRST」の企画は、SKY-HIさんにBMSGへ誘ってもらったタイミングから聞いていました。

    BMSGの未来像として聞いていた「THE FIRST」が番組という形で実現して、たくさんのスタッフさんと参加者、SKY-HIさん、トレーナーの皆さんによって動いていることをあの1日で実感して。SKY-HIさんの構想が実現していく瞬間を目の当たりにして感動しましたね。

    Novel Core それに、第一線で活躍していてもおかしくない才能を持った原石があれだけいて、それをSKY-HIさんが見抜いて全員で一緒に成長しているのも嬉しかったです。

    僕も15歳の時に「世間にもっと知ってもらいたい」とか「見てもらいたい」と思ってもがいていたので、共鳴する部分が大きかったというか。それと同じ感覚を持っている人が集まって、たくさんの人に見られている状況が単純に嬉しかったんですよね。

    その日は、SKY-HIさんと話しながら車で帰ったんですが、家に着いた瞬間号泣しました(笑)。評価されるべき才能が正当に評価される場をSKY-HIさんがつくって、それに賛同している人が大勢いて成り立って……ということにすごく感動しました。

    ──RANさんは参加する側でしたが、いかがでしたか?

    RAN とにかく濃い時間でした。1カ月の合宿があったんですけど、参加者みんなが口を揃えて「あれは1カ月じゃなかった」と言っています。

    音楽をつくったり練習したり、普通なら1週間かけてやることを1日でやったりしていて、なんかもうヤバいなって(笑)。

    最初の頃は慣れないことや新しいチャレンジも多くて、すごく葛藤したのを覚えています。はじまって4日、5日目くらいで泣いたりしていました。

    ──身体的にも精神的にもキツかった。

    RAN そうなんです。でも最終日に近づくにつれて、自分でも「成長しているな」って思えるようになって。

    周りとの関わり方もどんどん変わっていって、「みんなで作品をつくっていこう」という気持ちも日に日に強くなっていました。それが嬉しかったし、気持ちよかったし、すべてが今につながっていると実感しています。

    ──ダンサーとして活動されていた時とは違う部分も多かったのでは?

    RAN もともとストリートダンサーだったので、主にフリースタイルラップのようなダンスバトルをやっていました。

    なので、振りを付けたり踊ったり、歌いながら踊ったりしたことがなかったんです。まずその壁にぶち当たって。

    同じダンスでも、もともとやってきたスタイルとは別物だったので、消化するのにすごく時間がかかっていましたね。ストリートダンサーとアーティストの違いを強く感じていました

    ──ストリートという点ではお二人とも親和性がありそうですね。

    Novel Core 僕らがフィールする(共感する)部分が多かったのは、そういう背景もあると思っています。

    自分自身に対するやるせなさやモヤモヤした感情を、僕もRANも持っていたんですよね。

    片やMCバトラー、片やストリートダンサーと、「アーティストとして見てもらえないんじゃないか」という恐怖心を抱きやすい環境にいたという点では、すごく近いと思います。

    Novel Coreを突き動かした「THE FIRST」

    ──リンクする部分が多いお二人がコラボしたのが、アルバムのリード曲「THANKS, ALL MY TEARS」です。改めて楽曲制作の経緯を教えてください。

    Novel Core アルバムをつくることが決まって、真っ先に制作に取り掛かったのがこの曲でした。

    2020年末にプロデューサーのUTAさんとセッションをしながらトラックの原型をつくったんですが、当時僕は勝利を予感するホーンが入っているようなオーケストラサウンドで、すごくポジティブで根明で、希望しかない曲をつくろうと思っていました。

    でも、2021年1月に急に歌詞が書けなくなってしまって。たぶんBMSGに入ってからの目まぐるしい環境の変化や、無意識に感じていたプレッシャーで心のバランスが乱れてしまったんでしょうね。

    感情が言語化できない状態になってしまったので、スタッフさんと話をしてアルバムの発売を延期してもらい、3カ月ぐらい音楽制作から離れました。

    Novel Core その後、改めて歌詞を書こうとトラックを聴いたら、「根明な曲じゃないな」って思ったんです。

    今の自分が感じているようなネガティブさや不甲斐なさ、情けなさ、自分自身から逃れられないやましさと、それを脱却した後にある希望について歌うほうが正しいと。それでネガティブな部分にもちゃんとフォーカスした曲にしようと、この曲をつくりました。

    ──歌詞が書けなくなってしまった状態を、どのように脱却されたのでしょうか

    Novel Core そのきっかけがまさしく「THE FIRST」だったんですよね。

    Novel Core 「THE FIRST」が『スッキリ』で放送されると発表され、Twitterで話題になっていた時、僕は活動を休止していたんですが、その日に復帰すると決めてSKY-HIさんに連絡しました。

    これから大きいムーブメントが起きる中で、立ち往生していられないって気持ちもありましたが、それよりも自分にとってこれから大きな逆境が来るだろうという感覚があって。

    ──逆境…?

    Novel Core 「THE FIRST」がビッグプロジェクトだったので、自ずとBMSGに注目が集まるのだろうと、その時からひしひしと感じていました。

    僕は「THE FIRST」が立ち上がる前からBMSGに所属していた唯一のアーティストだったので、「THE FIRST」でBMSGに大きく注目が集まった時に自分の立ち位置があやふやになるだろうという懸念があったんです。

    それは相当な逆境でもあるんですが、大きなチャンスでもある、と。これに勝ったら人間としても、アーティストとしても相当強くなるぞと思い、SKY-HIさんに「復帰します」「スタジオに戻ります」と伝えて、その翌週くらいから制作を再開しました。

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